豚熱、移動制限区域解除は来月に先送り 沖縄県、5例目感染確認で


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 沖縄市内の養豚場で県内5例目の豚熱(CSF)の感染が確認されたことを受けて、県は3日、発生農場から3キロ以内にある養豚場の家畜検査を改めて開始した。発生農場から10キロ圏内で豚の移動や搬出を規制している制限区域の解除に向けた確認作業は振り出しとなり、全区域の解除は当初予定されていた2月17日から3月6日ごろにさらにずれ込む。

 沖縄市内の養豚場では3日午後5時現在で対象頭数の65%に当たる1224頭を殺処分した。4日早朝に殺処分を終える予定。

 県はワクチン接種プログラムの原案を作成し、1月31日に国に確認を要請している。国との協議が整い次第、2月中旬にもワクチン接種を沖縄本島の南北から開始する。

 県によると2日に感染が確認された養豚場には、3~4日程度とされる潜伏期間などから、1月下旬ごろにウイルスが侵入したとみられる。1月19日にはこれまでに発生した4例7農場全てで初動防疫措置が完了していて、完了後も周辺の空間内にウイルスが存在していたことになる。野鳥やネズミなどの野生動物に付着して感染拡大した可能性が浮上している。

 5例目の感染豚が出た養豚場について県は1月11日に家畜検査を実施していたが、その際は「陰性」の結果だった。陽性の豚が検査で漏れた可能性について県畜産課の仲村敏課長は「漏れていたのならもっと早く症状が広がる。(豚が死んだ)2月1日の数日前にウイルスが農場内に入ったのではないか」と話した。