那覇署に謝罪と写真の削除求める 職質で写真撮影された視覚障がい男性


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 2019年10月、那覇署の警察官2人から職務質問を受けた際、写真を撮影された視覚障がいのある70代男性が7日、弁護士2人と共に那覇署を訪れ、謝罪や写真データの削除などを求める申し入れ書を手渡した。

 男性は昨年10月15日午後5時ごろ、那覇署地域課の警官2人から職務質問された。男性は国指定の難病・網膜色素変性症を患っていて視力が弱く、所持していた障害者手帳を見せようとしたが拒否され、逆に写真撮影を要求された。男性は拒否したが、夕暮れが迫り視界が見えなくなることを恐れ、やむなく「同意」したという。

 申し入れ書では「男性の同意は警察官に不安感や恐怖感をあおられた形式的な『同意』でしかなく、真の同意ではない」と指摘。

 その上で、「刑事訴訟法第218条では、身柄を拘束されていない者に対する写真撮影は、本人の同意がない限り令状を必要としているため、本件は違法というべきである」と断じている。

 那覇署は「一般論として警察は法令に基づき適正に警察活動を行っている。個別の事案についてはコメントは差し控える」とした。男性は今後、県、公安委員会、県警本部に同様の申し入れをする予定。