PFASは「永遠の化学物質」 政府に安全基準を定めるよう訴える ジョン・ミッチェル氏 米軍基地周辺から検出


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講演するジョン・ミッチェル氏=10日、国会内

 【東京】米軍基地の汚染問題に詳しいジャーナリストのジョン・ミッチェル氏による講演会が10日、国会内で開かれた。「PFAS」と総称される有機フッ素化合物は、分解されにくく自然界でも長期間残る特徴から「永遠の化学物質」だと指摘。発がん性や子どもの成長への影響も研究が進む中、飲料水での目標値を設定していない日本政府に対し「最新の知見を考慮した安全基準を定めるべきだ」と強調した。

 ミッチェル氏はドイツや韓国の米軍基地でもPFASは検出されており、両国では米政府が調査に協力していると説明した。

 国内でも米軍普天間飛行場や嘉手納基地、東京都の横田基地などで汚染されているとの見方を示した一方、国内の米軍基地では情報公開が進んでおらず、その背景に「日米地位協定がある」と語った。「日本政府は県民や国民の健康の権利より米国を優先している」と述べ、基地内調査もままならない現状を批判した。

 PFASを巡っては米環境保護庁がPFOSとPFOAの合計値として1リットル当たり70ナノグラムを勧告値とするが「最新の研究で、1ナノグラム以下でも人体には危険だという学者も増えている」とし、より厳しい基準を設ける必要があるとした。

 PFASの汚染源として基地のほか、工場から排出されるものもあり「それらも含めて追及していかないといけない」と指摘した。

 講演会はオスプレイ反対東京連絡会が主催し、約80人が出席した。