沖縄で2人目の感染、60代のタクシー運転手が重症 新型コロナウイルス


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
沖縄県内で2例目の新型コロナウイルス感染者発生を受けて開かれた危機管理対策本部会議=19日夜、県庁

 県は19日、県内で新たに新型コロナウイルスの感染者が確認されたと発表した。患者は那覇市在住でタクシー運転手の60代男性。新型コロナウイルスの集団感染が確認されたクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」の乗客を乗せたと話しているという。男性は現在、重症肺炎で感染症指定病院に入院し、集中治療室で治療を受けている。県内での感染確認は2人目となった。保健所が男性の行動や男性との接触を調査している。関係者によると、男性はクルーズ船の乗客2組を市内2カ所から那覇市若狭のクルーズ船バースまで送迎したことが分かった。

クルーズ客2組送迎

 クルーズ船は1日に那覇に寄港した際、多くの乗客が下船し観光や市街地に出掛けたとみられる。県は15日までに乗客と接触した観光バスの運転手やタクシー運転手ら278人を特定し健康観察を実施してきたが、感染が確認された男性は調査リストには入っていなかった。

 県によると、男性は11日に39・1度の発熱があり、18日に息苦しさと倦怠(けんたい)感の症状が出たため、感染症指定病院の救急外来を受診した。主治医はウイルス検査の必要があると判断。県は19日に検査を実施し、陽性反応で感染が確定した。男性には妻がいるが、現時点で妻は症状を訴えていないという。

 乗車したクルーズ船客の人数や受診時の院内の様子、男性の発熱から受診までの行動など詳細についての調査はこれからという。

 新たな感染者の発生を受け、玉城デニー知事は危機管理対策本部会議を開いた。冒頭に発生状況を説明し「引き続き手洗いの励行、せきやくしゃみなどの症状がある人はマスクの着用とハンカチを口元で覆うなど、せきエチケットの実施をお願いする」と訴え、パニックにならずに冷静に行動するよう求めた。

 一方、県が19日に実施したウイルス検査は新規7人で残り6人は陰性だった。