ミャンマーへ「命の水」届け 保育園・学童クラブがアルミ缶回収と募金で資金つくり井戸7基目


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思い思いに描いたミャンマーの国旗を持って記念撮影する園児ら=沖縄市高原の愛の泉保育園

 【沖縄】沖縄市高原の愛の泉保育園・愛の泉学童クラブ(金城キヨ子園長)が“命をつなぐ活動”を続けている。同園は1985年から地域清掃活動を実施し、2012年からは毎週水曜日を「空き缶デー」に設定。アルミ缶集めに取り組んでいるほか、募金などで資金をつくり、アジア諸国での井戸建設事業に寄付している。このほど、同園で寄付金贈呈式があり、子どもたちや地域住民の“愛”が詰まった寄付金を、認定NPO法人アジアチャイルドサポートに託した。

 寄付金は園児や保護者、地域住民らが集めたアルミ缶の換金分と、寄せられた募金を合わせた。同園は今回の寄付で、ミャンマーの農漁村地域に7基目の井戸造りを支援したことになる。

 贈呈式には、新聞報道などで同園の活動を知り積極的に協力してきた地域住民も招待された。終戦直後に生まれ、中学まで水道がなかったという桑江良行さん(76)=市泡瀬=は「当時は雨水がたまった井戸水をくみ上げ、浮いた虫をよけながら大切に使っていた」と振り返る。日本では蛇口をひねれば当たり前のように出てくるきれいな水だが、世界には今もなお水環境が整わない地域があることに胸を痛めているとし、「微力だが、これからもできることを支援したい」と述べた。

 金城園長は「子どもたちには活動を通して水や命の大切さを学んでもらいたいという思いがある。これからも地域の皆さんと連携しながら続けていければ」と語った。

 寄付金を受け取ったアジアチャイルドサポートの宮國直樹主任は、ミャンマーには学校へ通う代わりに、生きるために日々水くみをしている小さな子が大勢いる現状を指摘。「皆さんの優しさで造られた井戸一つで、ミャンマーの子どもたちの命だけでなく、学ぶ機会や将来を守ることができる」と述べ、感謝した。
 (当銘千絵)