手作りの洗えるマスク評判 新型コロナ「困っている人へ」 喉の乾燥防止のため6年前に発案


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
玉城育子さんが手作りした花や犬などの柄が入った色とりどりのマスク。立体的で口紅がつきにくい=11日、糸満市潮平

 【糸満】洗って使える環境に優しいマスク―。新型コロナウイルスの感染拡大防止で全国的にマスク不足が続く中、糸満市潮平の玉城育子さん(78)が作るマスクが口コミで評判になっている。洋裁歴40年余の玉城さんは6年前、喉の乾燥防止でマスクを手作りし、同級生らに配った。玉城さんは「6年前は反応がなかった。まさか今になって注文が入るとは思わなかった」と驚いた様子で話す。

 昔から洋裁が好きという玉城さんは、旧下地町(現宮古島市)出身。19歳で沖縄本島に渡り、働きながら洋裁を学んだ。結婚後、糸満市内で20年ほど洋裁店を営んだ。現在は自宅で洋服の直しなどをしている。

 6年前、クーラーによる喉の乾燥を防ごうと、マスクの型紙から作った。玉城さんのマスクは立体的で口紅が付きにくく、安定してずれにくいのが特徴だ。生地はガーゼや綿を使用。花や犬など色とりどりの柄で、マスクを着用しても顔周りが華やかになる。

 玉城さんは6年前に作ったマスク数枚を現在も洗って繰り返し使う。「古くなっても愛着が湧いて捨てられない」と言う。

 マスク不足が続く中、友人、知人から注文が入るようになった。中(女性)サイズは350円、男性用400円で販売する。「同級生から、どこを探してもマスクがないと聞いた。もうけではなく、困っている人のためにできる範囲で作りたい」と笑顔を見せた。
 (豊浜由紀子)