「日程も組めない」 ライブハウス、イベント関係者、対応に苦慮 新型コロナ


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 県内ライブハウスや劇場は、新型コロナウイルス感染拡大防止に伴う公演中止や延期が相次ぎ、現在も対応に苦慮している。琉球新報が実施したアンケートでは「開催・中止の明確な判断材料を国や自治体は提供して」など、早期のイベント開催可否の基準作成や損失への対応策策定を望む声が寄せられた。

 「振り出しに戻ったような気分だ。いつになったら終わるのか」。21日に県内在住者の感染が確認されたことを知った北谷町のライブハウスモッズの喜屋武尚オーナーは声を落とす。3月だけで10本以上のイベントがキャンセルとなり、公演中止や延期の影響で開演しても訪れる客は少ないという。

 大阪のライブハウスで起きた新型コロナウイルスの集団感染を受けて、政府の専門家会議がライブハウスを「避けるべき場所」として例示したため、直接影響を受けた。「ライブハウスイコール怖いというレッテルを貼られた。このままでは来月以降のスケジュールも組めない」と眉をひそめる。

 その一方で、「店を開き、観客を入れると、クラスターが発生しないか不安になる。早く事態を終息してほしい」と話した。

店内の至るところにアルコール消毒液を設置するライブハウスモッズ=北谷町美浜

 本紙アンケートには、劇場関係者から「表現の場を閉鎖しないで」「『学校は休校措置なのにイベントは行うのか』とクレームめいた電話やメールがあった。開催・中止の明確な判断材料を国や自治体は提供して」などの声が寄せられた。果たすべき使命と現状の間で苦悩する姿が浮かぶ。一日も早いイベント開催可否の基準作成と損失への対応策策定が望まれている。

 相次ぐ公演やイベント延期・中止の影響について、今回のアンケートで触れられなかった芸能団体や個人の実演家らを対象にした調査を、県芸能関連協議会が20日からウェブ上で実施している。アンケート回答と調査詳細は県芸能関連協議会ホームページhttps://www.okigeiren.net

 (藤村謙吾、金城実倫)