米軍のコロナ感染「非公表」 周辺住民の不安さらに


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所属する米兵や家族計3人の感染が明らかになった米軍嘉手納基地

 【東京】新型コロナに関し、米国防総省が個別の感染情報を公表しない方針を示した。日本政府は「米軍とはかなり緊密にコロナの問題について、やりとりをしている」(河野太郎防衛相)などと強調するが、基地周辺住民が米軍の感染状況を把握することがこれまで以上に困難になる可能性は高い。

 米軍関係者の感染が確認された場合について、防衛省は日米合意に沿って米側から日本当局に通報があると説明してきている。米国防総省の今回の方針により、合意に反して日本政府自身も感染状況を把握できなくなる可能性が浮上している。他方、日本政府側が米側から感染情報の通報を受けながらも、それを国民に公表しないケースも想定される。

 在日米軍でどう運用されるのかは現段階で不明だが、在沖米海兵隊は国防総省の方針に沿って対応する見解を表明している。防衛省の伊藤茂樹報道官は31日の記者会見で、在日米軍の対応について「確認中なので、現時点でどうなるということを申し上げることは難しい」と述べた。