沖縄県浦添市が20日から市内認可保育園の臨時休園を決めたことを受け、保育関係者からは「仕事を休めない保護者はたくさんいる」「休園中の補償はどうなるのか」と不安の声が上がった。
市内の認可保育園関係者は「夕方にファクスが送られてきて知った。事前の情報がなかったのでびっくりした」と、突然の発表に驚きを隠さない。「保護者にはこれまでも土曜日の家庭保育をお願いしていたが、仕事を休めない方も多い。週休2日にもなっていないことを考えると、仕事を休めない人はたくさんいる」と、保護者への影響を心配した。
また、休園中の職員の対応は各園に任されているといい「休んだ場合の補償はどうなるのか。給与が下がれば辞めてしまう人も出てしまう。保育士不足の状況は変わっていないので、一度辞めた人を再び雇うのは困難だ」と話した。
市内の園に子どもを預ける保護者は「市が状況に応じて対策を取っているのは、園を通じた連絡で感じていた。休園の告知は受けていないが、唐突な感じはしない」と受け止める一方「会社は在宅勤務を推奨しているが、子どもをみながら仕事するのは無理。子どものストレスも大きい」と話した。
松本哲治市長は、14日の記者会見で「もう一段のご協力をいただいて何とか保育園や学童クラブの職員の体を守りたい」。と保護者への協力を重ねて求めた。
浦添市では、市内の放課後学童クラブ(学童保育)も各施設が児童を安全安心な環境で受け入れることが困難だと判断した場合は、各自の規約に基づき休所するという。
小中学校の臨時休校が続く中、小中学生の子を持つ職員がいる保育園や学童クラブでは人員確保が厳しい状況にある。小中学校の再開が再び先延ばしになったことで保育園や学童クラブの継続は「限界」と判断したという。
一方で家庭保育で保護者が仕事を休み、収入が減ることに対し浦添市からの補填はない。市では「家庭保育になることで収入が著しく減少する世帯については、保育園受け入れの対象にする」としている。