10町村、感染者の詳細「公表しない」 個人の特定避けるため


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 新型コロナウイルス感染者の情報提供について、沖縄県は市で感染者が発生した場合は自治体名を公表するが、町村の場合は管轄の保健所名だけを発表している。個人の特定や誹謗中傷を避ける意図があるが、公表の判断を委ねられた町村では対応に差が生じている。琉球新報社は14日までに、県内30町村の感染者の情報提供について調べた。個人の特定につながるとして「公表しない」と回答したのは10町村、対応を決めかねている自治体は15町村。「公表する」と回答した5町村も、年代や性別だけを公表するなど情報を制限する方針だ。

 粟国村や久米島町など、「公表しない」と回答した町村でも「県発表に準ずる」として、県が町村名を発表した場合に限り公表を検討するとしている。

 町村は主に、県からの連絡を受けて自治体内の感染者を把握している。南部のある自治体職員は「発表の翌日に県から連絡を受けた。県も余裕が無いのかもしれないが、感染防止策を講じるためにも早く連絡してほしい」と頭を悩ませている。