1点もの「ウージ染めマスク」いかが 職人ら、サトウキビのように「立ち上がる」


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山川仁市長(中央)にウージ染めの手作りマスクを贈呈する眞境名照子代表理事(左)と玉那覇清美副理事長=14日、豊見城市役所

 【豊見城】沖縄県豊見城市ウージ染め協同組合(眞境名照子代表理事)は14日、豊見城市役所を訪れ、山川仁市長に市特産のウージ(サトウキビ)染めのプリント生地を使ったマスク2枚を贈呈した。1枚は市長の妻の分。山川市長は「職人の愛情が詰まっている。これでしっかりコロナ対策をしたい」と語り、気を引き締め直した。

 マスクは豊見城市ウージ染め協同組合の組合員約20人が手作りしている。表の生地はかりゆしウエアの端切れで裏面はさらしを使っている。一つ一つ色合いや柄が異なり“一点物”となっている。サイズは中・大・特大にキッズの4種類。税込み500円。

 普段はウージ染めを使ったタペストリーやハンカチなどを制作・販売しているがコロナウイルスの影響で客足が激減した。4月上旬、山川市長が妻によるウージ染めのハンカチを使用した手作りマスクを着けているのを見たことが転機となった。「何もしなければ変わらない」「ピンチを乗り越えたかった」

 眞境名さんら組合員たちは10日から市豊崎にある直売店でマスクの販売を始めた。すぐに市内外から問い合わせが相次いだ。客が店の外に列をなすこともあったという。14日時点で既に完売となっている。

 購入者から「元気になれた」「ありがとう」などの温かい声が寄せられている。現在、材料を手に入れるのもやっとの状態で「安定的に生産できるよう体制を整えている」段階だ。眞境名さんは「ウージのように倒れても立ち上がってくる力を見習ってがんばりたい」と意気込んだ。

 マスクは予約や取り置きはできない。問い合わせは同組合のEメールinfo@u-jizome.jpまで。