「本当は休園したい」保育の場は板挟み 資金繰りも厳しく


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 既に緊急事態宣言が出された沖縄県外を見ると、宣言が出ても仕事を休めない人は多い。休めない親の子どもを預かってきた保育園や学童は「引き続き預かる」と話しつつ、感染や資金繰りへの懸念に加えて、普段通り暮らせない「非日常」が子どもたちに与えるストレスを指摘する声もあった。

 本島中部で学童を運営する支援員は「緊急事態宣言でどのような制約や要請が加わるのか、説明がないので分からない」と戸惑う。

 家庭保育の呼び掛けで利用する児童は半分ほどに減っている。4月も半ばに入り、月初めから休む児童の4月分の利用料を「請求していいものか」と戸惑う一方、3月の休校期間中に開所した際の国からの助成金も支払いはまだだ。「資金繰りも大変だし、先が見えない中、家庭保育を続ける親からは親子ともストレスがたまっているとも聞く」と言う。「社会全体で子育ての在り方を考える機会かもしれない」と提起した。

 那覇市内の保育園の園長は「子どもがいる保育士もいるので、休ませてあげたい」と願う一方で、保護者には医療従事者もいる。「どうしても子どもを預けなくてはならない状況もある」と板挟みの苦悩を語りつつ「要望があれば今後も子どもを預かる」と話す。別の保育園長も「必要のある子どもたちは責任を持って預かる」との方針だが「子ども第一に考えると、感染予防のために本当は休園したい」と苦しい胸の内を語った。