死亡の2人は持病なし 沖縄・新型コロナで亡くなった50代と80代男性


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県内の新型コロナウイルス感染症患者の死亡や新たな感染者について説明する県保健医療部の糸数公保健衛生統括監(左)=19日午後、県庁

 沖縄県内で拡大が止まらない新型コロナウイルスの感染で、入院していた男性2人が19日に死亡した。この日、那覇市立病院の看護師2人の感染も明らかになった。患者数の増加に伴い重症化への懸念が強まる。医療現場で院内感染のリスクが高まる状況は県内でも顕在化する。不要不急の外出自粛で自身を守ることが県全体のリスク軽減につながることから、県や医療機関は県民に改めて協力を呼び掛けた。

 「大変つらいお知らせをしなければならない」。19日午後3時半すぎ、県内の感染者発生状況を伝える会見に、玉城デニー知事は喪服に黒色のマスク姿で臨んだ。入院していた50代と80代の男性が死亡したことを、悲痛な表情で発表した。

県内で拡大が止まらない新型コロナウイルスの感染に強い危機感を示し、マスクの着用徹底を呼び掛ける玉城デニー知事

 県によると50代男性は感染後に肺炎を発症し、7日に入院した。その日に酸素吸入を開始したものの、症状は悪化した。人工心肺装置「ECMO(エクモ)」で治療を続けたが回復しなかった。那覇市の80代男性は9日に入院し、呼吸器症状が急速に悪化したため12日に集中治療室(ICU)に移った。この男性も肺炎症状があった。死亡した2人に持病の情報はなかったという。

 県保健医療部の糸数公保健衛生統括監は「持病がない人でも重症化することがあり得ることを認識してほしい。呼吸状態が悪い状況であれば、早めに受診することが大事だと思う」と強調した。

 県内では新型コロナの感染拡大が続いており、玉城デニー知事は会見で「今の状況は誰もがウイルスを運んでいると考えられる」と語気を強めた。死亡例が3人目となったことに加え、看護師の感染例が出始めている事態に、強い危機感をあらわにした。「マスクを着けることが、私はうつさないと意思表示することになる」と指摘した。

 マスクは感染予防に完全ではないが、意思表示をするには布マスクでも有効と言い、着用の徹底を呼び掛けた。

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