「楽観できない」新規コロナ患者ゼロ 3月連休の「失敗」再来を警戒


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 沖縄県内で25日ぶりに新型コロナの新規感染者がゼロとなった。最近は感染者数が少人数で推移しており、2桁を突破した時期に比べると落ち付いたようにも見える。ただ県も医師たちも「楽観視はできない」と強調する。

 「久しぶりのゼロで、気の緩みにならないか心配だ」。県の対策の中枢を担う糸数公保健衛生統括監は、硬い表情のままで語った。県と医療現場は共に、大型連休の到来を警戒。糸数統括監は、4月の患者増加の一因とされている3月の3連休を振り返り「新規患者ゼロが続いていた時期で(外出自粛、来県自粛など)何も制約をかけない形で連休を迎え、かなりの人が来県した」と説明する。

 国立感染症研究所の分析でも、県内での流行の発端は県外からの来県者の可能性が示された。糸数統括監は「同じ状況にはしたくない」と連休中の人の移動に神経をとがらせる。

 一般的に感染症の終息は「ウイルス潜伏期間の倍の期間、新規感染者が発生しないこと」とされる。新型コロナの場合は28日間新規患者がゼロとなる必要があり、新型コロナ感染拡大終息まで、年をまたぐ可能性を指摘する声もある。数日の「ゼロ」に一喜一憂するのは早計と言えそうだ。
 (仲井間郁江)