増加の代替化合物、有害性は未確認 識者「今後も注意を」 普天間泡消火剤流出


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 【宜野湾】米軍普天間飛行場から泡消火剤が宇地泊川へ流出した事故から1カ月たっても、有機フッ素化合物「6:2FTS」などの含有量が大幅に増えた水の採取地点があった。この化合物は、有害性が指摘されているPFOSの代替品として使われ始めている。これらは国際的な規制が進むPFOSやPFOAと異なり、有害性の研究が十分に進んでいない。原田浩二京都大准教授は「今後、注意が必要だ」と警鐘を鳴らす。

 PFOSやPFOAのほかに検出された化合物は6:2FTSのほか、PFHxA、PFHpAなど。これらは調査した5地点中4地点で減少したが宇地泊川沿いで泡が付着していた水たまりでは増加した。中でもPFHxAは、1リットル当たり153・6ナノグラムから同465・7ナノグラムと3倍に増え、最も大きい増加幅だった。

 県が4月11日、川近くの湧き水「大謝名メーヌカー」で実施した調査では、1リットル当たり2万ナノグラムの6:2FTSが検出された。この物質は県が2016~19年度に宜野湾市の北側にある喜友名泉(チュンナーガー)で実施した調査で同170~390ナノグラム検出されている。原田准教授は今回の流出事故と別の原因で汚染された可能性も指摘している。