昨年12月の泡消火剤流出 操作手順の周知ミスで発生


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昨年末の泡消火剤流出事故について米軍がまとめた内部調査報告書

 昨年12月に普天間飛行場の格納庫から有機フッ素化合物を含む泡消火剤が流出した事故について、報告書からは人為的ミスで事故が発生し対応のまずさで被害が拡大したことが読み取れる。APU(補助動力装置)と呼ばれる装置は格納庫内で使用してはいけないことになっているが、一部の隊員に周知されていなかった。

 報告書によると、複数の隊員にとって動力装置を格納庫内で作動させないことは部隊内の「常識」だったが、その決まりを明文化した規則はなかった。一部の隊員は問題だと知らずに装置を使い、熱を感知した消火装置から消火剤が吹き出たとみられている。

 被害を拡大させた原因として、対応の遅さを記載している。消防隊が到着してから格納庫の維持管理室の鍵を持った人が来るまでに12~15分あり、消火剤の放出を止めるまでに時間がかかった。事故当時、格納庫にいた隊員たちが無線を携帯していなかったという。

 その結果、海兵隊員8人が泡消火剤にさらされた。汚染された軍服や装備はドラム缶に詰めて保管しており、処分のため浦添市のキャンプ・キンザー(牧港補給地区)に送ると記載されている。

 回収できた汚染水は格納庫地下の貯蔵タンクにあり、処分のため日本本土に船で輸送するという。報告書は今年2月までにまとめられた。