大同火災、売上高最高171億円、3月期増収減益


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 大同火災海上保険(那覇市、与儀達樹社長)は29日、2020年3月期決算を発表した。売上高に当たる正味収入保険料は、自動車保険などの契約が堅調だったことから前期比2・6%増の171億2200万円で、過去最高額を記録した。本業の業績を示す保険引受利益は、マイナスだった前期から21億5100万円増加し3億3100万円と黒字に転じた。台風被害の影響が前期に比べて少なかったことが要因。

 経常利益は同27・1%減の5億6900万円、純利益は同31・6%減の3億5300万円だった。前期に計上した有価証券売却益の反動で減益となった。正味支払保険金は同8・2%減の85億4400万円。

 損保会社の収支状況を表す指標で、100%を下回れば良いとされる「コンバインド・レシオ」は97・9%で、目標としていた98・3%以下を達成した。支払い能力など財務の健全性を示す「ソルベンシー・マージン比率」は697・8%で、基準とされる200%を大きく上回っている。

 新型コロナウイルス感染症の影響で観光客が減少したことから、インバウンド向けの海外旅行保険など観光関連の保険商品の契約が減少しているという。与儀社長は「現時点で新型コロナの影響を正確に予想するのは困難だが、観光客も含めて回復には少し時間がかかるだろう」と話した。

山城氏が常務へ 来月正式決定
 

山城 俊夫氏

 大同火災海上保険(与儀達樹社長)は29日の決算取締役で、山城俊夫取締役(56)が常務に昇格する役員人事を内定した。6月25日に開催予定の株主総会と取締役会を経て正式に決定する。

 外間尚常務(58)は取締役を退任し、常勤監査役に就く。常勤監査役の宮城善隆氏(62)は退任する。

 2020年度から新たに執行役員制度を導入し、松川貢大営業第一部部長(52)、山里武司損害サービス部長(51)を執行役員に起用する。就任は6月25日付。