演説は3密防止で分刻み 支援者は傘さして聞き入る 沖縄県議選


この記事を書いた人 Avatar photo 上里 あやめ
雨の中、候補者の演説に聴き入る支持者ら=31日午後、本島中部

 今回の県議選で唯一の日曜日となった31日、9選挙区52人の候補者は、朝からそれぞれの選挙区内で精力的に活動し、有権者への支持拡大に奔走した。選挙期間中の日曜日は候補者が各地のイベント会場に顔を出し、支持を訴えるのが慣例となっているが、今回は新型コロナウイルス感染症の影響で軒並み中止となった。コロナ禍で例年と様変わりした選挙を戦う候補者らは、知名度の向上を図るため街宣車で地域の隅々まで足を運び、支持を訴えた。

 同日の本島地方は時折雨が降るぐずついた天気となった。候補者が街頭に立つと、傘を差した多くの支持者らが集まり、新型コロナ感染症対策や経済政策、基地問題などの訴えに耳を傾けた。

 選挙区内の集落で演説した候補者が「地域のために仕事ができるのは私しかいない。地域の力で県議に押し上げてほしい」と訴えると、支持者からは拍手と声援が送られた。別の候補者は街宣車で選挙区内を回り、気になった場所や住宅地で細かくスポット演説をするなど、分刻みのスケジュールをこなした。

 本島中部の主要交差点では、街頭演説の時間が重なり、各陣営で場所を譲り合う場面も。一方、信号待ちで複数の街宣車がかち合うと、各候補の支持を訴える声が交錯した。

 ある与党候補は「毎年米軍絡みの事件事故に悩まされている。県政を支える議員を多く県議会へ送ろう」と、集まった議員団や支持者らへ呼び掛けた。野党候補の一人は大粒の雨に打たれながら街頭に立った。「観光に代わる新たな産業構築に取り組む。沖縄の未来をつくるため一票を委ねてほしい」と訴えた。

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