グラウンドに、体育館に、笑顔が戻ってきた 沖縄県立高校で2カ月ぶりに部活動再開


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部活動が再開し、久しぶりの稽古に励む空手部の生徒たち=1日夕、うるま市の前原高校(大城直也撮影)

 1日から一斉登校による通常授業が始まった沖縄県立高校では部活動も再開となった。新型コロナウイルスの影響による活動自粛から約2カ月ぶりの全体練習に、各校各部の選手たちは笑顔で仲間たちと体を動かした。全国高校総合体育大会(インターハイ)は中止が決まったが、県高校総体は7月下旬にも開催される方向だ。高校最後の大会となる3年生も多く、自身の集大成での活躍を目指す。それぞれ感染防止対策を取りながらの始動となったが、練習時間の制限など段階的に緩和し、15日からは活動が全面実施される。

仲間と鍛錬できる喜び 前原高空手部

 胴着の擦れる音や足を踏みつける音が武道場内に響く。前原の男女空手部は軽い動作で一通りのメニューをこなし、形、組手の動きを確認した。仲間たちと一緒に鍛錬できる喜びで、合間には終始顔をほころばせていた。

 体育館よりも空間が狭い道場ではコロナ対策により気をもむようで、換気を確認しながら休憩も小まめに取るなどしていた。

 体に当たるほどに接近して拳を打ち込む組手では、通常よりそれぞれの距離を保って練習した。

 女子形で優勝を目指す3年の新屋乙葉は「県高校総体がなければ、3年はそのまま引退で、道場にも来られなかったかもしれない」と大会に向けた練習再開を喜ぶ。男子組手で頂点を狙う山根龍人は「組手の面白さである接近戦がどうなるのか。早く前のようにできるようになることを願っている」と話した。