<市郡区別分析・那覇市南部離島区>立民が県議会初の議席獲得


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 定数11に16人が出馬し、県内最大の激戦区となった那覇市・南部離島区は県政与党6人、野党・中立5人の構成となった。国政野党第1党の立憲民主が県議会で初めて議席を獲得し、与党は議席を1増やした。

 社民は現職の狩俣信子が後継を擁立できず、2議席から1議席となった。崎山嗣幸は市職労の支援のほか、国場や首里で支持を広げ4選を果たした。

 共産は地域を分けて支持層にアプローチする手法が成功し、議席を維持した。渡久地修は街宣活動を積極的に行い、地元首里を固め、4選を果たした。比嘉瑞己は共産支持層に加え、無党派層にも支持を広げた。

 社大は前回県議選と同様、1議席を守った。比嘉京子は地盤の首里や出身の八重山郷友会組織を手堅くまとめた。

 県議選で初めて候補者を擁立した立民は悲願の1議席を獲得した。喜友名智子は労組の支援を受け、地盤の小禄を中心に市内全域で支持を得た。

 保守系の市町村議員で組織する政治団体「新しい風・にぬふぁぶし」は県議会で初議席を獲得した。翁長雄治は父・翁長雄志後援会の支援を受け、保革から幅広く支持を集めた。

 一方、野党の自民は前回と同様に3議席を獲得した。西銘啓史郎は真和志を中心に市内全域で票をまとめ2選を果たした。新垣淑豊は地元首里で支持を固めたほか、企業の支援を受け、初当選した。仲村家治は地元小禄で票を固め、初当選し、前回県議選の雪辱を果たした。山川典二は地盤の真和志や企業票を固めきれず2期目はかなわなかった。

 中立の公明は新型コロナウイルス感染症を受け、候補者1人を取り下げたことで2議席から1議席となった。上原章は支持組織をきっちりと固め今回も上位当選を果たした。日本維新の会から無所属となった當間盛夫は地元小禄や企業票を固め5選を果たした。

 嘉手苅生佳は企業や同級生有志の支援を受けたが及ばなかった。依田啓示は小禄を中心に街宣を積極的に展開したが届かなかった。山田マドカはNPO法人などの支援を受けたが、支持が広がらなかった。垣花豊順は第32軍司令部壕の保存、公開を訴えたが浸透しなかった。