沖縄・恩納村、戦略特区応募へ AI活用「スーパーシティ」 OIST連携


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 【恩納】沖縄県恩納村は10日までに、同村にある沖縄科学技術大学院大学(OIST)と連携し、人工知能(AI)などを活用した先端都市「スーパーシティ」の実現に向けた国家戦略特区に応募する方針を決めた。同特区に指定されれば、複数の分野にまたがる規制を一括して緩和できる。恩納村は赤土流出やオンライン診療など村の課題解決のほか、OIST関連の研究開発型スタートアップ企業の支援を目指す。同特区への応募を決めた自治体は県内で初めて。

 恩納村はOISTからの打診を受けて申請を決めた。長浜善巳村長は「OISTと連携して特区をつくっていき、県の進める産業クラスターにも結び付けたい」と目標を語った。OISTは「OISTと恩納村が協働し、スーパーシティとSDGsを組み合わせた未来のビジョンを実現したい」とコメントした。

 同特区は5月27日に成立した改正国家戦略特区法に基づくもので、内閣府が秋までに募集を開始し、年内にも全国5カ所程度が指定される。計画を具体化し実現するのは2022年以降の見込み。自動車の自動運転やドローン配送、キャッシュレス決済、オンライン診療などのサービスを同時に利用できる暮らしの実現を目指す。各サービスを連携させ利便性を高めるためのデータ基盤を構築する。

 海外の事例では、住民のデータ収集を巡ってプライバシー保護が問題化した事例もある。恩納村は近く村議会に説明する方針。村民の情報を取り扱う場合は住民説明会なども実施し、理解を得たい考えだ。長浜村長は「(村民の)個人情報を利用しないで取り組める手法も考えていきたい」と述べている。
(塚崎昇平)