渡嘉敷発!キクラゲ2000個誕生 「島産の素晴らしさ、味わって」


社会
この記事を書いた人 Avatar photo 上里 あやめ
大きく成長したキクラゲ

 【渡嘉敷】新商品開発で島おこしをと、渡嘉敷村の富濱定昭さん(61)と當山清林さん(82)を中心とした若者や専業農家が村内で初の渡嘉敷産有機キクラゲを専用のハウスで約2千個菌床の栽培に成功した。乾燥したキクラゲを商品化して、6月中旬ごろから本島や本土へ初出荷することになった。6日現在、村内全体で5千個の菌床を栽培中。

 島キクラゲは昔から渡嘉敷島の野山などに自生し、形が人の耳に似ていることから「ミミグイ」と言われ、精進料理として食用されている。キクラゲは、ビタミンDが豊富で、免疫力アップやアレルギー、がん予防効果も期待できるといわれている。

村内初のキクラゲを栽培する當山清林さん=6日、渡嘉敷村内のキクラゲ専用ハウス

 2人は今年1月から、湿度70~90%の真っ暗な専用ハウスで高さ20センチ、幅12センチの固めた木のクズで菌を培養させるテスト栽培を始めた。試行錯誤を繰り返し発芽に成功、3月に100個、4月に2千個まで増やした。ハウスで成長したキクラゲを天日干しにすることで、ビタミンDがしっかり増えていくという。

 當山さんは「栽培個数を増やして付加価値を高め、栄養効果の高い島産キクラゲの素晴らしさを知って味わってほしい」と期待した。
 (米田英明通信員)