慰霊の日を前に平和祈念像「浄め」 糸満市摩文仁 12年ぶりに職人らが漆塗り


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高さ約12メートルの平和祈念像についたほこりを拭き清める参加者=11日、糸満市摩文仁の沖縄平和祈念堂

 【糸満】23日の慰霊の日を前に、沖縄県糸満市摩文仁の沖縄平和祈念堂で11日、平和祈念像のほこりを取り払う「浄(きよ)め」が行われた。新型コロナウイルス感染防止のため例年に比べ人数を減らし、平和祈念堂の職員ら8人でほこりを拭き清めた。戦後75年の節目の年として、2008年以来12年ぶりに職人らによる漆塗りの作業もあった。

 祈念像は高さ約12メートル、幅約8メートル。参加者は脚立に上り、像全体のひび割れや劣化の有無を確認しながらほこりを拭き取った。

 平和祈念像の制作に携わった元県立芸術大学教授の糸数政次さん(65)は「微力ながら、浄めで世界が平和になってほしい」と額に汗をかきながら話した。首里城復元にも関わった漆職人の森田哲也さん(43)は「祈念像は宗教、人種、国籍は関係ない。平和を考える像として何十年、何百年と残ってほしい」と平和への思いを新たにした。

 沖縄平和祈念堂では22日午後3時から「沖縄全戦没者追悼式前夜祭」が開かれる。コロナの影響で一般参加は呼び掛けず、規模を縮小して実施する。