多良間村で伝統スツウプナカ コロナで簡素化 「暁の願い」で地域の繁栄祈る


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アカツキノニガイでシュリ魚や酒などを捧げ、豊作に感謝し地域の繁栄を祈願する人々=18日午後9時40分、多良間村

 【多良間】多良間村の伝統行事「スツウプナカ(節祭)」が18日、村内で行われた。新型コロナウイルス感染拡大防止のため、今年は簡素化して神事の「暁の願い(アカツキノニガイ)」のみが執り行われ、豊年と地域の繁栄を願った。

 スツウプナカは、国指定重要無形民俗文化財「八月踊り」とともに多良間村の二大行事の一つ。暁の願いは例年、長老が神歌(ニィリ)を歌い、酒を酌み交わす。島内には男たちによる「ヤッカヤッカ」のはやしが響くが、今年はなかった。人々は準備したシュリ魚(奉納魚)や酒、塩を神にささげ、静かに祈った。

 神酒を準備する役割(ブシャ座)を約30年務める比嘉清作さん(60)は「暁の願いだけでもできて良かった。これからも絶やさず後輩に伝えていきたい」と話した。