住宅地価72ポイント低下 県不動産DI 下落鮮明、先行き悪化も


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 県不動産鑑定士協会(髙平光一会長)は19日、2019年11月~20年5月の不動産市況の業況判断指数(DI)を発表した。半年前と比べた地価動向DIは、住宅地が前回調査比72・1ポイント低下のマイナス22、商業地が同70・6ポイント低下のマイナス19、軍用地が同71・5ポイント低下のマイナス9・5となり、いずれも14年の調査開始以来初のマイナスとなった。新型コロナウイルス感染症による経済活動の停滞を受け、地価下落の傾向が鮮明になった。

 今後半年間の予測値はさらに落ち込むことが予想されている。髙平会長は「不動産価格の下落リスクが高まっている」と指摘した。

 新型コロナの影響について「賃料の減額や猶予の相談増加、家賃の滞納発生」が53件で最多だった。買い控えや取引減少の指摘が30件、契約の延期や保留、キャンセルの発生は22件など、商業地の賃貸物件を中心に影響が生じている。

 金融機関の融資判断が厳しくなっているという意見や、売却の相談が増加しているという声もあった。一方で、特に影響はないが22件、取引や問い合わせが増加しているという意見も3件あった。今後の不動産価格や賃料の下落を予想する意見が多かった。

 半年後の地価DIの予測値は、住宅地がマイナス71・1、商業地がマイナス72、軍用地がマイナス58・6となり、いずれも今回調査と比べて50ポイント程度の低下を見込んでいる。空き室増加による収益物件の採算性低下や不動産需要の減少などマイナス要因が多い。

 取引件数DIは宅地がマイナス37・8、マンションがマイナス31・4、戸建てがマイナス33・1、軍用地がマイナス14・4。新型コロナウイルスの影響を強く受けている店舗、事務所の賃料DIはマイナス16・7、稼働率はマイナス19・5。調査結果の詳細は、県不動産鑑定士協会のホームページに掲載されている。