石垣の鮮魚店「部活動の派遣費に」寄付 市のコロナ支援に感謝こめ


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石垣安志石垣市教育長(後列右)と仲田森和竹富町教育長(前列右)に寄付金目録を手渡す仲田鮮魚店代表の仲田吉一さん(後列左)と妻のまりえさん=6月26日、石垣市教育委員会

 【石垣・竹富】沖縄県石垣市の仲田鮮魚店は6月26日、児童生徒の部活動派遣費の支援に役立ててほしいと、石垣市教育委員会と竹富町教育委員会に寄付金を贈呈した。仲田吉一代表(57)と妻・まりえさん(54)が同日、市教委で石垣安志市教育長と仲田森和町教育長に目録を手渡した。新型コロナウイルスの影響で本マグロを出荷できない厳しい環境にさらされたが、市の対策事業や住民の購買に「助けられた」(仲田代表)と感謝し、収益の一部を還元した。

 約60本の本マグロを釣り上げたという仲田代表。例年ならば大都市部への出荷で収益を上げるが、新型コロナの影響による航空便の減便や需要低下による値崩れがあり、ことしは厳しい状況となった。

 しかし、石垣市が新型コロナの経済対策で実施した鮮魚店での購入を補助する「おさかなクーポン券」の効果もあり、市民が多くのマグロを購入し、収益は一部回復した。仲田代表は「島の人がここまでマグロを食べるのかと驚いた」と話す。

 一方で、新型コロナの影響で、児童生徒の島外派遣費の負担が重くなることを懸念。自身が中3の時、サッカーの県大会で優勝したにもかかわらず、派遣費が工面できずにチームが九州大会に出場できなかった苦い記憶も重なり、支援の寄付を決めた。

 寄付額は非公表だが、仲田代表は「コロナに負けないように、派遣に行っても島根性で負けるな」とげきを飛ばす。まりえさんは「(コロナ明けで)野球をする息子の姿を見ると、今は何をやっても楽しいという気持ちが分かる。離島のハンディはあるが、子どもたちには頑張ってほしい」とエールを送った。