宮古島に22年春初の専門学校 若者に島内で高等教育、介護と観光を融合


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 【宮古島】学校法人智晴(ちせい)学園(金武町、儀間智理事長)は14日、宮古島市内で専門学校を開校すると発表した。同市に高等教育機関が設立されるのは初めて。2年制の専門学校で、2022年4月に開校予定。同日、市役所で学校設置に向けた協定を市と締結した。

宮古島初の専門学校開校へ協定を締結した宮古島市の下地敏彦市長(左)と学校法人智晴学園の儀間智理事長=14日、宮古島市役所

 智晴学園は金武町で作業療法や海洋リハビリテーションなどが学べる専門学校「琉球リハビリテーション学院」を運営する。これまでのリハビリテーションに関する人材育成のノウハウを生かした上で、宮古島市で開校する学校は、障がいがある人にも対応できる観光業従事者の育成を目指す。

 1学年40人、計80人規模で校舎は旧市中央公民館を一部改築して活用する方針。学校名や学科名は未定。

 宮古島市にはこれまで高等教育機関が無かったため、高校卒業後、大学や専門学校などへ進学する際は島外に出る必要があった。保護者の経済的負担も大きく進学を諦めるケースも多い。島外で就職する若者も多く、市の人口構成は20~24歳の割合が他市町村に比べて低い。

 現状を踏まえて、市は同学園と締結した協定に学生の定員のうち、宮古島市民8割を確保することを盛り込んだ。また、卒業生のうち約4割が一定期間(おおむね5年以上)、市内で定住、就職することも連携して取り組むとした。

 協定書締結式で儀間理事長は「海や宮古馬など宮古島ならでは特徴と環境を生かしたカリキュラムを作る。介護と観光を融合させた国内にも例がない新しい分野となる。県外、国外に羽たける人材育成に取り組みたい」と語った。

 下地敏彦市長は「市にとって画期的なことで心から喜んでいる。若者の島外流出など市の課題解決に向けても、素晴らしい学校を共につくりたい」と喜んだ。