子のコロナ感染相次ぐ 学校「戦々恐々」 いじめや差別懸念


この記事を書いた人 Avatar photo 米倉 外昭

 県内で子どもの新型コロナウイルス感染が2日連続で確認された。臨時休校が明けて約2カ月が経過し、徐々に教育活動が拡大していた段階での感染発覚に、教育関係者の衝撃は大きい。先週末は部活動の大会も催されていたため、学校現場には緊張が走っている。感染者に対する差別やいじめが懸念され、心のケアを求める声が高まる一方、感染予防対策に時間を費やし、教職員が子どもと向き合う時間が削られているという課題も顕在化してきた。

 20日に感染が分かった10代が通う学校は、朝の検温やマスクの着用を徹底していた。出入り業者にも検温を実施し、保護者の立ち入りにも制限を掛けていた。学校関係者は「ここまで予防を徹底しても感染者が出るのか」と驚く。

 同校は26日まで臨時休校する予定。教職員も自宅待機になり、オンライン学習への対応は難しい。4連休を挟むため実質の休校期間は2日間と短いことから、子どもに課題を出して学習してもらうという。

 県内の学校現場では臨時休校が明けた後も感染予防の対策が続いていた。教員は出勤時間を早めて検温、放課後の消毒作業も毎日こなし、疲労も募る。ある小学校教諭は「教師が子どもや保護者と親身に向き合う時間がない。あまりにもつらい」と切実に訴える。

 米軍基地内での感染が拡大していたものの、県内の感染者は少なく、最近は部活動が活発になっていた。ある高校教諭は「先週末は部活動の大会があった。そこから感染が広がるのではないかと戦々恐々としている。いろいろ対策しているが、最近は緩みもあった。正直言って、学校では密を避けられていない」と本音を明かした。

 県教育委員会の関係者は「今後も他の学校から感染者が出る可能性がある。今までの感染症対策に注力するしかない」と話した。