コロナ禍、生徒総会もオンライン中継で 「生徒会の収入源は?」画面越しに質疑応答


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 新型コロナウイルスの感染予防のため、学校が全校生徒を一カ所に集めた集会を開けなくなっている中、情報通信技術(ICT)を活用してオンライン集会を開く公立学校が出てきた。糸満市立西崎中学校(神里一吉校長)と南風原町立南風原中学校(當間保校長)は生徒総会をオンラインで開催し、コロナ前と変わらない活発な議論を展開した。

◆西崎中学校 質疑応答活発に

 

オンラインでつないだ各教室の生徒が議案を承認したことを受け、拍手する生徒会メンバー=22日、糸満市西崎町の西崎中学校

 糸満市立西崎中学校は22日、生徒会と3学年15学級をビデオ会議システム「Google meet(グーグルミート)」でつなぎ、生徒総会を開いた。各教室にある電子黒板に全学級の様子を映し出し、質疑応答を実施した。

 議案は昨年度の活動報告や本年度の活動計画、決算、予算など多岐にわたった。生徒会メンバーはそれぞれの議案を詳細に説明し、質問を受け付けた。

 各教室にいる生徒は、挙手の代わりに学級名を書いたプラカードをカメラに向けて意思を示した。「生徒会の収入減は何?」「副会長が2人いるのはなぜ?」「去年も電卓を買ったのに今年も買うのか」など多くの質問が挙がり、生徒会役員が一つ一つに答えた。

 学校生活を充実させるため学級ごとの目標を定める「西中チャレンジ」の発表もあり、全学級の代表がチャレンジ内容を説明した。

 生徒会長の3年、安里康之介さん(15)は「多少不具合はあったけれどみんなの協力でやり通すことができた」と話し、初のオンライン生徒会の成功に安堵(あんど)した。

◆南風原中学校 いじめゼロ決意

 

カメラに向かって発言する生徒ら=22日、南風原町兼城の南風原中学校

 南風原町立南風原中学校は22日、ビデオ会議システム「Google Meet(グーグルミート)」を使って生徒総会を開いた。例年6月に体育館で開催する。

 今年は新型コロナウイルス感染症の対策で、生徒会がそろった第3理科室と各教室をオンラインでつなげた。

 総会は各教室で議題ごとに質問内容を書いた紙を持って発言し、担当者が回答する方法で進んだ。

 同校は「いじめゼロ宣言」を約5年前から行っている。総会で各学年の代表が「いじめ、いやがらせはしてはいけない」などの決意表明をした後、宣言文を全校生徒で読み上げた。

 當間校長は「新しいことに挑戦した生徒総会だった。これから授業などでオンラインを活用してほしい」と話した。

 生徒会長で3年の林美希さん(14)は「新しい取り組みで準備など大変だったけど臨機応変に対応できた」と楽しそうに話した。