八重山が初の「夏」頂点 異例ずくめの大会制す 県夏季高校野球 KBCに4―2


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優勝が決まった瞬間、マウンドに集まって喜びを爆発させる八重山ナイン=2日、名護市のタピックスタジアム名護(新里圭蔵撮影)

 高校野球の2020県夏季大会(県高校野球連盟主催)最終日は2日、名護市のタピックスタジアム名護で決勝を行い、八重山がKBC未来を4―2で下し、優勝した。全国選手権沖縄大会を含め、八重山が夏の県大会で頂点に立つのは初めて。

 甲子園にはつながらず、スタンドには歓声も鳴り物も響かない。異例ずくめの大会だが、選手たちの笑顔は変わらなかった。最後のアウトを取ると、ベンチメンバーを含めた八重山の選手たちがマウンド上で喜びを爆発させた。試合終了後の表彰式では、今大会用に特別に製作された朱色の優勝旗を県高野連の岩﨑勝久会長から八重山の内間敬太郎主将に手渡された。

 ノーシード同士の頂上決戦は春夏秋を通じて県大会の決勝では初の顔合わせとなった。試合が動いたのは五回。八重山がスクイズを挟んで4連続長短打を放ち、一挙4得点。KBCはその裏の攻撃で1点を返し、九回にも1点を追加して粘りを見せたが、あと一歩届かなかった。八重山は4人の継投策がはまり、逃げ切った。

 新型コロナウイルスのまん延で、開催期間が2週間以上となる甲子園大会は感染、拡散のリスクが避けられないとして中止に。部活動停止が長期に及び、練習不足によるけがの増加が予想されたことなどから地方大会も取りやめとなった。

 選手権沖縄大会の代替大会として開かれた今大会には64校から59チームが出場。当初は3年生の保護者のみ入場が許可されていたが、1日から県による緊急事態宣言の期間に入ったため、準決勝、決勝は無観客で行われた。

 県内の離島勢は2006年の88回選手権沖縄大会で八重山商工が初優勝を果たし、同年の春の選抜に続き甲子園大会に春夏連続出場している。