県内ホテル 新型コロナ対策の態勢強化 観光客受け入れへ模索


この記事を書いた人 Avatar photo 米倉 外昭
客室の壁に抗ウイルス・抗菌加工の液体を噴霧するホテルモントレ沖縄スパ&リゾートのスタッフ=7月31日、恩納村のホテルモントレ沖縄スパ&リゾート

 沖縄県内で新型コロナウイルスの感染が広がる中で、県内の各ホテルは「ホテルと利用者がお互いに感染対策を取りながら、沖縄旅行を楽しんでほしい」(ホテル支配人)と感染防止対策を強化しながら宿泊客の受け入れ態勢を整えている。新型コロナの陰性証明書を持参した宿泊客に特典を付ける施設もあり、感染拡大防止と経済活動を両立する「ウィズコロナ」時代の観光業を模索する。

 ホテルモントレ沖縄スパ&リゾート(恩納村)は、7月9日から約1カ月かけて施設の抗菌コーティング加工を実施した。339室の客室を始めチャペルやプール、スパなど全館で抗菌コーティングを実施。空気触媒「セルフィール」という製品を使用し、消臭や防カビ、抗ウイルスの効果があるという。宿泊者が3密を避けられるように、朝食会場や温泉など共用施設の混雑状況がスマートフォンで確認できるシステムも8月から導入している。

 こうした対策は厳しい経営状況の中で大きな投資というが、吉邑琢弥支配人は「ウイルスとは共存していかないといけない。ホテル側もお客さんもお互いに感染対策を取ることで、安心して来てほしい」と語る。

 ホテルパームロイヤルNAHA(那覇市)は、全従業員に接触確認アプリ「COCOA」のスマートフォンへのダウンロードを進めている。アプリは電話番号や位置情報、名前などの登録は必要ない。

 高倉直久総支配人は「使い方が簡単で、個人情報も守られているが知られていない。感染にすぐ気付くためにも、来県者もダウンロードして来てほしい」と話す。観光関連団体にも導入を呼び掛けており、感染者が出ても感染を広げない仕組み作りを目指す。

 カヌチャリゾート(名護市)は「ウィズコロナの旅スタイルの提案」として31日まで、新型コロナウイルスの陰性証明書を持参すると、施設内のアクティビティやレストランで使える利用券を贈呈する。

 感染症対策に宿泊者の協力を得るというキャンペーンで、3泊以上で1人につき3万円分を還元。チェックイン前の3日以内(土日を除く)のPCR検査受診による陰性証明書を、宿泊者全員分を提示する必要がある。