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落とした赤ちゃん写真、家族に戻る 写真館「うちで撮影」記事見て連絡


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 沖縄県那覇市泉崎の県道39号沿いの建物軒下に、落とした人の目に付くように1カ月間置かれていた赤ちゃんの写真について、9日までに持ち主が見つかった。那覇市の会社員、前田泰宏さん(32)で、写真の赤ちゃんは現在1歳10カ月の長男、幸宏ちゃん。百日記念で撮った写真だった。

 所有者を捜しているという記事を本紙が7月31日に掲載した。撮影した那覇市小禄の写真館、沖縄創寫舘(そうしゃかん)の職員が記事を読んで気付き、前田さんと本紙に連絡した。4日、写真は前田さんに渡された。

 写真は透明のプラスチックケースに入っている。写真が置かれていた建物に入居する居酒屋「つくも」によると、従業員が1カ月ほど前に落ちていることに気付き、通行人から見えるように軒下に置いた。通りは那覇バスターミナルにつながり、通行人や交通量も多い。

 前田さんは写真を受け取った後、つくもを訪ね「沖縄創寫舘も含め多くの人のご厚意のおかげだ。本当にありがたい」と感謝した。写真は沖縄創寫舘が利用者にプレゼントした。前田さんは、かばんに付けていた。紛失に気付いていたが、連絡があるまでは自宅内で落としたと思っていたという。

 つくもの店員は「従業員全員が持ち主に戻ってほしいと願っていた。見つかって、こちらもうれしい」と笑顔を見せた。沖縄創寫舘の職員も「写真を入れた新しいケースを贈りたい」と喜んだ。

ケースに入った前田幸宏ちゃんの百日記念写真
長男の百日記念の写真を受け取った前田泰宏さん=4日、那覇市泉崎の居酒屋つくも前