小3が暗算10段に 合格率1%未満「めっちゃうれしい」 豊見城で最年少


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(左から)伊波常敏塾長の隣で愛用のそろばんと10段の合格証書を持つ平田翔真さんと父の真一さん=12日、豊見城市高安の伊波そろばん教室とよみ教室

 【豊見城】沖縄県豊見城市高安の伊波そろばん教室とよみ教室に通う、とよみ小3年の平田翔真さん(8)=豊見城市真玉橋=が全国珠算教育連盟主催の「暗算検定試験」に、市内最年少で最高段位の10段に合格した。翔真さんは「めっちゃうれしかった」と笑顔で語った。

 5歳からそろばん教室に通い始めた翔真さんはこれまで順調に昇段していたが、合格率1%未満の超難関の10段は、3回目の挑戦となった。

 今年6月に受けた試験はかけ算、割り算、見取り算(足し算と引き算)の3種目。翔真さんはかけ算と見取り算で200点満点、割り算は1問のみの不正解で195点を取り見事合格をつかんだ。

 過去2回の経験を踏まえ「数字をきれいに書き、計算をパッパッと速くすること」を心掛けた。これまでに少なくとも5千人の生徒を見てきたそろばん教室の伊波常敏塾長(70)は「光るものがある。全身で集中していて隙がない。将来大物になる」と称賛する。

 試験までの間、新型コロナウイルスの影響で教室が休みとなる期間もあったが、翔真さんは自宅でそろばんをはじき続け、力を付けていった。会社員で父親の真一さん(42)も「10段まで来るとは思わなかった。参りました」とうなった。合格の知らせを聞いた母親の奈月さん(41)は涙を流して喜んだという。合格祝いとして奈月さんが翔真さんの好きなチョコレートケーキを用意し家族みんなで食べた。

 翔真さんは「そろばんの先生になる」という夢に向かい「次は暗算ではなく、そろばんの10段に合格したい」と愛用のそろばんを握った。
 (照屋大哲)