知事「辺野古とは違う」 浦添市長「県発展のため」那覇軍港移設・一問一答


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那覇軍港の浦添移設を巡り、浦添市と那覇市の3者会談に臨む玉城デニー知事=18日午後4時ごろ、県庁

 那覇軍港の浦添移設に関する玉城デニー知事、松本哲治浦添市長と記者団とのやりとりは次の通り。

―知事へ。基地の県内移設と埋め立ては辺野古移設と相似する。軍港移設でどう違いを整理するのか。

 玉城知事 民港活用について沖縄の経済の進展性を含めた計画と、貴重な生物多様性のある海域、軟弱地盤の存在があるにもかかわらず、膨大な費用と長い年月と多くの県民が反対の意思を示している中で進められる代替計画とは全く意を異にする。

―松本市長へ。北側案を受け入れた理由は。

 松本市長 キャンプ・キンザー返還を見据え西海岸開発の一体的な未来を描く市にとって、軍港は正面でなく南の端っこに位置付けてほしいとの思いは変わらない。だがそれ以上に県と那覇市、浦添市が連携して那覇港湾の整備、軍港跡地の開発、浦添市の西海岸開発がこれ以上足踏みを続ける訳にはいかないと判断した。

―知事へ。県政与党内には反対の政党もある。

 玉城知事 まずは協議会の枠組みの中で県民や業者の方々が将来を見据えた上でどんな意見が反映されていくか見守りつつ協議していく。支援していただいている方々と胸襟を開いて協議することは重要だ。将来どんな沖縄の姿を描くかについても話し合っていきたい。

―県議会答弁では浦添移設について認める立場だが、ゼロベースでこの計画を考えていくのか。

 玉城知事 ゼロベースに戻る話ではない。未来志向でどんな港湾施設にしていくのか、あるいはこれから世界の状況がどう変わっていくのかも見据えながら、方向性は十分議論する余地がある。

―松本市長へ。2期連続で公約が変わることについてどう思うか。

 松本市長 公約を信じて1票を投じた皆様にきちんと説明しないといけないと思っている。北側案受け入れも非常に難しい決断で断腸の思いだ。県全体の発展のために浦添市が苦渋の決断をしたことの意味を共に受け止めていきたいと考える。