キッチンカーでビーガン料理 メニュー40種類 本島南部を駆ける


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家族4人でキッチンカー六屯を営む小坂さん一家=14日、那覇市内

 【八重瀬】赤、黄、緑のカラフルな車体に家族4人が乗り込むキッチンカー、その名は「六屯(ろっとん)」。音楽好きな店主の小坂直樹さん(34)=八重瀬町=が英国のパンクロックバンドのボーカリストの名前から名付けた。主に南部地域を駆け回り、肉、魚、乳製品などの動物性食材を使わず、野菜などの植物性食材のみを使用した県内でも珍しいビーガン料理を提供している。

 新型コロナウイルス感染拡大の影響でテークアウトが広がる中、屋外で販売するキッチンカーの注目度が高まっている。小坂さんは「ビーガンは国境を越えて世界中の多くの人が食べられる」と笑顔でPRした。

六屯イチ押しメニューのファラフェルサンド(六屯提供)

 大阪出身の小坂さんは、2012年に自転車で日本一周の旅をした。その時出会った沖縄の友人に声を掛けられ、13年に移住を決めた。「悔いのない生き方をしたい」と思い一念発起し18年に飲食業を目指した。条件に合った店舗が見つからず、八重瀬町商工会の知人に相談すると「キッチンカーがあるよ」と紹介された。子どもの頃から自炊をしてきた小坂さんは、料理は得意で飲食店で働いたことはあるものの「修行のつもり」とキッチンカーでの販売に挑戦した。

 欧米のビーガンに親しむ友人が「沖縄で食べられるものがない」という話を聞き、ビーガンに着目。独学で学んだ。メニューはドリンクも含め40種類ほどあり、食事は週替わりで提供する。イチ押しはひよこ豆をすりつぶして作った中東風コロッケを挟んだ「ファラフェルサンド」(時価)だ。調味料のマヨネーズも豆乳を使い一から手作りする。大豆肉を使ったメニューでは、肉に似た食感で客から「肉が入っている」とクレームを受けたこともあるほどだ。

 妻の弓絵さんと(34)長女の凜ちゃん(3)、長男の三(みち)ちゃん(1)の家族4人で店頭に立つ。SNSでその日の販売場所を発信、県内全域から提供場所も求めている。(電話)080(4692)8989。フェイスブック、ツイッター、インスタグラムのアカウントは全てrotton8989。
 (照屋大哲)