沖縄で19年の宿泊施設596軒増 開業ラッシュ、コロナで状況急変


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 沖縄県文化観光スポーツ部は25日、2019年宿泊施設実態調査の結果を発表した。ホテルなどの宿泊施設の軒数は前年比24%(596軒)増の3084軒と過去最高を更新した。宿泊施設の開業ラッシュに伴い客室数は同9・7%増の5万4380室を数え、収容人数は同12・7%増の14万9216人に広がった。

 新型コロナウイルス感染症の影響が出る前の19年までの好調な観光需要に加え、20年3月の那覇空港第2滑走路の供用開始を見据えて投資が活況だった。

 県は2021年の入域観光客数の目標1200万人に対し、県内に5万6千室の客室が必要と試算していた。県の担当者によると、今回の調査時点の19年12月31日以降も新規のホテル開業が相次ぎ、少なくとも約1800室はさらに増えているといい、現時点で県内の客室数は5万6千室を超えている計算となる。

 客室数が大きく増えた一方で、現状は新型コロナの影響で観光客が激減しており、宿泊施設の稼働率悪化が顕著になっている。県が把握するデータでは新型コロナによる県内宿泊施設の廃業は2件出ている。

 県文化観光スポーツ部の渡久地一浩部長は「各施設、借り入れなどで資金を工面しており、倒産などは数字として大きく出てきてはいないが、今の状況が続けば影響は出てくる」と先行きに懸念を示した。

 19年の施設軒数を種別で見ると、「ペンション・貸別荘」が前年比49・1%増の1275軒となり、増加率が最も高かった。客室数は3856室。本部町などで、空き家をペンションなどに転用する事業者が増えているという。

 ビジネスホテルなど「宿泊特化型ホテル」も同39・4%増の467軒と高い増加率を示し、主に那覇市や石垣市で増えた。客室数は1万7788室。「リゾートホテル」は3・8%増の162軒となり、客室数は1万8018室となった。

 市町村別の状況は、那覇市が軒数446軒、客室数1万9917室、収容人数4万3712人といずれも最多となっている。

 恩納村は軒数は全市町村で5番目だが、大型リゾートホテルの開業などがあり、客室数が5676室、収容人数が1万9973人と那覇市に次いで多かった。