【東京】河野太郎防衛相は29日に米領グアムを訪れ、アンダーセン空軍基地でエスパー米国防長官と会談した。日米両政府が合意している沖縄の海兵隊部隊のグアム移転の開始時期に関して、2020年代前半とする現行計画通りに進める考えや、名護市辺野古の新基地建設を「唯一の解決策」とする方針を確認した。河野氏は会談後、在沖海兵隊のグアム移転に伴い格納庫などが建設される同基地ノースランプ地区も視察した。
対中けん制で一致
会談で両氏は、中国が海洋進出を強める東シナ海・南シナ海情勢を巡り、力を背景とした一方的な現状変更の試みに反対だとの考えで一致。中国を念頭に、法の支配や航行の自由が重要だとけん制した。
地上配備型迎撃システム「イージス・アショア」計画断念を踏まえた新たなミサイル防衛体制の構築に向け、連携することも確認した。
エスパー氏は会談の冒頭で、地域を不安定化させる中国の行動に反対する意向を表明。河野氏も力による現状変更を試みる国があると指摘した。
新型コロナウイルスで世界は変化しており、日米は同様の考えを持つ国々との連携を強めるべきだとの認識を示した。
尖閣諸島についてはエスパー氏から、米国の日本防衛義務を規定した日米安保条約第5条の適用範囲であるとの米側の見解が改めて示さ
れた。
河野氏の外遊は2月のドイツ訪問以来。新型コロナの影響で海外渡航を控えていた。日本政府が感染症対策として求める帰国後2週間の自宅などでの隔離措置は取らない。29日中に帰国した。