BEGINが新曲に込めた願いは「朝は来る」 頑張る全ての人へ向け応援歌


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 今年3月にデビュー30周年を迎えた石垣島出身の比嘉栄昇、島袋優、上地等のバンド「BEGIN」の新曲「24ー7(にーよんなな)のブルース」の各音楽主要サイトからの配信がこのほど始まっている。「24ー7のブルース」はオリオンビール初のプレミアムクラフトビール「75BEER(ナゴビール)」のCMソングに起用され、BEGINはCMにも出演している。厳しい社会情勢の中を頑張る全ての人へ向けた応援ソングとして力強いメッセージを届ける。作詞作曲を手掛けた島袋優にオンラインで話を聞いた。

(聞き手・田中芳)

 

新曲「24ー7のブルース」を配信したBEGINの(左から)上地等、比嘉栄昇、島袋優(テイチクエンタテインメント提供)

―新曲のタイトルの意味や曲のコンセプトは。おなじみの「オジー自慢のオリオンビール」「アンマー我慢のオリオンビール」とは異なるブルース調。島袋と上地がメインボーカルを務めている。

 「トゥエニーフォーアワーズ・セブンデイズ、24時間・7日間という、アメリカなどでよく使われる年中無休という意味。コロナの渦中、大変な思いをしている人がたくさんいて、それぞれが今やれることやっている。人には同じように24時間あり、1週間があるという思いを込めている。BEGINのファンの皆さんからすると、久しぶりにブルースの曲が来たと思うかもしれない。Aメロは僕が、Bメロは等、サビは栄昇が歌う展開になっている。3人のキャラクターにそれぞれが合うなと思って。デビューから今年で30周年だが、1曲を3人それぞれが歌うのは初めての試みなのですごく面白いなと思う」

―歌詞に込められた思いは。制作を振り返って。

配信された新曲「24ー7のブルース」(テイチクエンタテインメント提供)

 「歌詞の中に『真(まくとぅ)そーけー なんくるないさ』とある。いわゆる、なんくるないさの一番正しいと言われている使い方。『どうにかなるさ』ということでなくて、自分が正しいと思っていることをちゃんとやっていれば収まる所に収まるという、意味。それって、正しく今の状況にぴったりだなと。ぱっとひらめいた時に、この言葉を使えばきっと歌詞が広げられると思った。曲は夕方から夜になってまた朝が来るという流れになっている。つらいことがあって嘆いて、どれくらい頑張ったら認めてもらえるんだろうとか思うこともある。頑張れという応援歌というよりは、一緒に踏ん張って皆で乗り越えていこうという思いを込めた。自分にも言い聞かせている。みんなが頑張れるような応援歌になったらいいなと思って詩を書いていた」

―現状を振り返って。ファンにメッセージを。

 「半年くらい何もできず沖縄にいるというのはこれまでに経験がなかった。自分磨きと言ったら大げさだが、自分のための時間を過ごしている。例えば、自分の好きなキャロル・キングなどのアーティストのレコードを引っ張り出して聞いたり、ユーチューブでライブを見まくったり。ギターの練習をしたり、趣味だったらDIYや絵を描いたり。お盆は石垣に帰れなかったが、違う意味でやれることもあるのかなと思う」

 「特にエンターテインメントの世界はこれから先はどうしたらいいんだろう、配信ライブをやったりそれだけでいいのかなとか、もしかしたら、一度リセットして考え直す時期に来ているのかもしれない。皆さんの前で、実際にライブがやれる日ができるだけ早く来てほしいが、その時にはまた、ステップアップした自分たちが見せられたらいいなという願いがある。次にライブをした時は、元気に久しぶりって言って、ライブができるんじゃないかと思う。ぜひ楽しみにしていてくれたらうれしい」