<識者談話>新卒採用の抑制 中小企業の持続に経済支援を 名嘉座元一沖国大教授


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名嘉座元一(沖国大教授)

 コロナ前は人手不足が深刻で、売り手市場だったのが一変している。新型コロナウイルスの影響が長期化すると、持ちこたえられない企業も多くなるだろう。特に観光業は売り上げの落ち込みが大きく、今回の調査に含まれていない企業でも採用に影響が出ていることは予想される。

 企業が持たないと採用どころではないので、中小企業が持続できる経済的支援、コロナ禍でも営業を継続するためのテレワーク導入などへの支援も必要だ。

 2022年度以降の採用も気になる。(22年度入社になる)大学3年生は本来なら今頃はインターンシップの時期だが、今年は対面でのインターンシップができない状態だ。会社訪問、対面による合同企業説明会もなく、企業研究がやりにくい状況である。

 ただ、オンラインでのインターンシップや企業説明会が行われるようになり、学生は積極的に参加すべきだろう。

 平時でも早い段階から就職活動に取り組んでいる人は、入社後も継続意向が高いという結果が出ている。今は就職活動そのものができない。企業のことが分からないままエントリーとなると、採用後ミスマッチが起き、早期離職につながる恐れがある。

 対面での採用活動が難しいのでオンラインになっていくが、うまく対応することができれば、中小企業にとっては自社の魅力をPRするいいチャンスでもある。
 (労働経済学)