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沖縄・やんばるの海に赤土流出 台風9号で 研究者サンゴ消滅を懸念

赤土が流出し、真っ赤に染まった海=1日、名護市屋部の国道449号沿い

 【北部】台風9号の接近で本島北部で赤土が流出し、複数の沿岸部で海が赤く染まった。県は赤土等流出防止対策行動計画を策定するなどして流出の削減を目指すが、サンゴの研究者からは「赤土流出はサンゴに多大な影響を与える。サンゴの上を覆い光が届かなくなり、酸素を取り込むことができずに死滅するものも多い」として調査の徹底を求める声が上がっている。

 北部では台風9号が最接近した1日、名護市や本部町、宜野座村、金武町沿岸部など広範囲で赤土が流れ出て、海を赤や茶色に染めた。数日間で徐々に海の色は戻ったが、豪雨のたびに赤土が流出している状態だ。

 県は1972年の日本復帰前後から続く公共工事などの開発行為で、サンゴ礁など自然環境への影響が深刻だとして、1995年に県赤土等流出防止条例を施行した。県内で1千平方メートル以上の土地の開発事業は、排水の際に赤土などの浮遊物質の量を1リットル当たり200ミリグラム以下にすることなどを義務付けた。条例の効果もあり、11年度の赤土流出量は1993年度の約6割に削減された。

 一方、赤土流出は工事現場からだけではなく、農地からも確認されている。県赤土等流出防止対策基本計画の概要によると、11年度の調査で県内海域の55%で人為的な赤土流出が確認され、うち8割強が農地からの流出だったという。

 県は対策として、畑のへりにグリーンベルト設置(植栽)を奨励しているが「想定外の大雨が降った場合はどうしても赤土が海に流れ出てしまうことがある。今後も調査や対策を実施していきたい」としている。

 海洋生物の生態などに詳しい琉球大学のジェイムズ・デイビス・ライマー准教授によると、赤土は農薬やマイクロプラスチックを含んでいるものもあり、海洋生物への影響が大きいという。ライマー准教授は「赤土が流出しやすい台風が夏場に来ることから、サンゴの産卵への影響も懸念される。流出も次第に減っているようだが、豪雨災害や台風も強力になり、県の調査・研究の基準も再検討する必要があるのではないか」と指摘した。
 (喜屋武研伍、松堂秀樹)



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