モズク「イノーの恵み」培養種を試験配布 安定生産目指し、沖縄県が漁業者へ


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培養中のモズクの種(県水産課提供)

 県農林水産部は9月から、県水産海洋技術センターが品種登録したモズク「イノーの恵み」の培養種(ばいようだね)を、県内漁業者に配布する。培養種を配布するのは初めてで、試験的に無償で配布する。培養体制や配布方法を確立した後に、来年度から有償で配布する予定。長嶺豊県農林水産部長は「モズクは沖縄ブランドの代表品目。安定生産が求められている」とし、培養体制の確立を目指す。

モズクの種「イノーの恵み」(県水産海洋技術センター提供)

 モズク養殖の際、多くの漁業者はグループ単位で培養を行う。だが培養は細かな作業が求められることや、施設の確保が困難なことから、培養種の安定確保が課題にある。県が配布するイノーの恵みは、県内のほとんどの地域で普及されている。藻体が長く生産性が高いほか、柔らかく生食に適している。

 県は培養種を250リットル用意し、漁協などに配布する予定。来年度からは1リットル当たり5千円~1万円で販売する計画だ。