「平和食堂」48年の歴史に幕 店主の山内さん1人で切り盛り「ごちそうさまは宝物」沖縄市


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 【沖縄】店主の山内照子さん(85)が一人で切り盛りする沖縄市胡屋の「平和食堂」が、惜しまれつつ48年の歴史に幕を下ろした。

 新型コロナ感染拡大防止のため4月9日より休業を続けていたが、県の緊急事態宣言の延長、自身の年齢による不安や営業許可証の期限が8月末で切れることで家族と相談し閉店を決断した。

 休業中は常連客から営業再開の問い合わせもあり悩んだが、旧盆に夫の故・秀雄さんへ報告し決意を固めた。

 常連客で胡屋自治会元会長の大城信男さん(72)は「長年一人で頑張ってこられ本当にお疲れさまでした。地域で慰労会を開きたい」と労をねぎらった。

 店内のメニュー表を見ながら常連客を思い出すという山内さんは「お客さまからいただいた『ごちそうさま』は私の宝物。お客さまに励まされ支えられた。残りの人生は大切な家族や友人と楽しみたい」と笑顔で話した。
 (喜納高宏通信員)

下ろした看板を手にする店主の山内照子さん=3日、沖縄市胡屋の「平和食堂」
人気メニューで昔ながらの黄色いカレー