医療ケア児に対応、看護師を学校へ 宜野湾市長「いい形で配置できれば」NPO要望に


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松川正則市長らと意見交換する県自立生活センター・イルカの長位鈴子代表(左から4人目)ら=7日、宜野湾市役所

 【宜野湾】NPO法人県自立生活センター・イルカ(長位鈴子代表)が7日、宜野湾市役所に松川正則市長を訪ね、医療的ケアが必要な子どもたちのため学校に看護師を配置することなどを求める要望書を提出した。「学びの保障には公的な医療や福祉サービスが不可欠だ。環境整備はあるが、まだ家族らの必死の頑張りでようやく成り立っている状況だ」として対策を求めた。

 宜野湾市では昨年度から医療的ケアの必要な子どもたちが保育園、幼稚園に入園できるようになった。現在は市内の幼稚園、認定こども園、小学校で計3人の子どもを受け入れている。看護師などを配置して人件費を補助する態勢を整えているが、小学校では看護師を募集しているものの採用に至っていない。

 同NPOは要望書で(1)看護師採用に至らない原因を分析し、対策する(2)医療的ケアを行う事業所に保育園や教育機関でのケアを委託できる予算措置(3)市議会や教育委員会と本人、家族との意見交換の場の設置―を求めた。

 市は勤務日数や時間帯などを柔軟に対応し、採用につなげたい考えだ。

 長位代表は「看護師の不安を取り除くなど、最大限の調整をしてほしい」と求めた。松川市長は「市として懸命に取り組んでいる。いい形で配置できればと思っている」と述べた。

 市内の認定こども園に娘が通う仲村翔さん(37)も同席した。「問題は山積みだが、同級生と触れ合うことで笑顔が増え、自己主張も盛んになった。子どもの社会的自立につなげることが最も大事だ」と話した。