「ジェンダー平等、全ての制度に」 宜野湾市、キリ学教授招き講演会


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
新垣誠教授の講演に耳を傾ける参加者ら=12日、宜野湾市男女共同参画支援センターふくふく

 【宜野湾】沖縄県宜野湾市は市志真志の市男女共同参画支援センターふくふくで12日、男女共同参画社会の実現に向けた講座を開いた。沖縄キリスト教学院大学の新垣誠教授(国際人権論)が、男女共同参画の歴史などを解説。多様な人々が豊かで住みよい町をつくるため「全ての制度や政策、計画、意思決定にジェンダー平等の視点を入れることが大事だ」と訴えた。

 新垣教授は「男性を中心とした社会が今の世の中をつくり上げてきた」と指摘した。男性が日本経済を支えるため、家庭を顧みず働いてきたことで家庭が崩壊し、子どもが精神疾患を抱えるなどしたとして「皆が家族を大事に一緒に頑張っていく雰囲気をつくっていかないといけない」と強調した。最大の少数者である女性のほか、性的マイノリティーの声にも「目を向けないと」と述べた。

講演する新垣誠教授

 新垣教授は宜野湾市の男女共同参画会議会長も務める。同会議が市に答申した「市男女平等及び多様性を尊重する社会を推進する条例」案は、「多様性」などの文言に疑義を持つ市議会の主要与党会派が反対し、反対多数で否決された。新垣教授は「どの表現をとっても、人によって解釈がいっぱい。合意形成が難しい」と受け止めている。

 市は男女共同参画を目指す条例案制定に向け、案の作り直しに動いている。講座には女性を中心に約20人が参加した。