「菅首相、沖縄に思いを持っている」 沖縄前副知事・安慶田氏に聞く


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安慶田光男氏

 故翁長雄志県政下で副知事を務め、名護市辺野古の新基地建設問題を巡って菅義偉氏と頻繁に面談し、今も親交のある安慶田光男氏は16日、琉球新報の取材に応じ、菅氏の人柄や沖縄との関わりについて語った。安慶田氏は那覇空港第2滑走路の工期短縮や牧港補給地区の一部返還に伴う国道58号の拡幅などを挙げ、「あれだけ目に見える形で沖縄に変化をもたらした。今の政治家の中で菅総理ほど沖縄のことを考えている人はいない」と強調した。

 安慶田氏は「沖縄では辺野古問題で県と対立して悪者のイメージが強い。冷たい印象を持たれているが、実はそうではなく非常に人間味がある。沖縄の中では北部と宮古島が好きで、『一生住みたいくらい』と言っていた」と語る。

 8月末ごろに突然菅氏から電話があり、「前に一緒にカラオケに行った時に歌っていた民謡は何だったか」と聞かれたという。安慶田氏は副知事時代、官房長官だった菅氏と故翁長雄志前知事、新里米吉前県議会議長と知事公舎で会談した後、親交を深めようとカラオケへ行った。安慶田氏は「とぅばらーま」を歌った。菅氏もお気に入りの曲を歌ったという。

 県は2021年度で期限が切れる沖縄振興特別措置法などの延長を今後政府に要請する。基地問題や沖縄振興の交渉で、多い時は1週間に1回程度菅氏と会ってきた安慶田氏は「沖縄振興の延長は交渉の仕方次第だ。オープンの場での議論は望ましいが、時には裏で話をすることも重要だ。菅首相は沖縄に対しての思いは持っている。菅政権の間に沖縄の発展を進めるべきだ」と語った。