デジタル技術をタクシーに活用 沖縄で実証事業 危険通知や周辺施設の紹介 NTT西日本と第一交通


この記事を書いた人 Avatar photo 上里 あやめ

 NTT西日本(西日本電信電話、大阪市)と第一交通産業(北九州市)は17日、デジタル技術を駆使した新たな交通サービスに向けた2種類の実証事業を、沖縄本島内で今月下旬以降に開始すると発表した。IoT(モノのインターネット化)を活用したタクシーの安全運行支援や、観光客の好みに応じて観光地や交通情報を届けるアプリサービスなどを展開する。

 タクシーの運転支援システムによる事故低減の実証は、IoT機能のあるドライブレコーダーや端末を車内に設置。走行データを収集して道の広さなどの道路情報や交通量などの交通状況、天候といった情報を複合してコンピューターが危険度を推定する。危険な場合には警報音で運転手に通知する。乗車希望者に、付近を走るタクシーから効率的に配車するシステムも実証する。9~12月の実証を予定している。

 効率的な移動を可能とする次世代交通体系「MaaS(マース)」モデルとして、主に観光客を対象としたウェブアプリの実証も行う。アプリに目的地を入力すると、利用者の気に入りそうな目的地周辺の施設や交通手段などを自動でお薦めする。ウェブサイトに登録する際に「グルメ」や「レジャー」など旅の目的と、好みの画像を選んでおくことで、利用者の好みを解析する。商業施設のクーポン受け取りや、タクシーの配車もアプリ上でできるという。

 NTT西日本の担当者は「目的地だけでなく、周辺施設の情報を提供することで回遊性を高め、地域での消費増加につなげられる」と話した。