移動時の3密回避 通勤、通学でのリスク減へ 与那原町 自転車等購入補助金<コロナに負けず 地域にエール⑥>


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「与那原町自転車等購入補助金」を利用して購入した自転車で通学する登校前の宇座涼太さん(右)と母の宇座千秋さん=18日早朝、与那原町内

 再生可能エネルギーを活用したまちづくりを進める与那原町。大型MICE施設の供用開始を見据え、次世代の交通体系「MaaS(マース)」や徒歩での移動を中心とした「ウォーカブルシティ」など、新たな公共交通や人の移動手段について取り組む。新型コロナウイルスが猛威を振るう今年は、3密を避けた移動手段として自転車に着目。地方創生臨時交付金を活用し「自転車等購入補助金」を実施した。同補助金は7月31日に開かれた臨時会で可決した。

 与那原町は面積5・18平方キロメートルと、県内41市町村の面積ランキングで渡名喜村に次いで2番目に狭いコンパクトな町だ。町企画政策課の山城司課長は「東西南北、端から端まで近距離の上、スーパーや銀行、郵便局などは平たんな場所にある。自転車で移動しやすい町だと思う」と説明する。

 補助金は16歳以上が対象。上限1万5千円で自転車購入費用の半分を、さらに自転車用ヘルメットも上限3千円で、購入費の半分を補助する。

 これまで115件の問い合わせがあり、すでに65件が申請を済ませている。當眞裕子さん(38)=与那原町=は通勤用として申請し自転車を購入した。「とても助かる。与那原は車の交通量が多い割には道路が狭い。1人でも多く自転車を利用すれば、登下校する子どもたちの安全にもつながる」と期待する。

 西原高校に通う宇座涼太さん(15)=同=も補助金を活用して新しい自転車を購入した。サッカー部の朝練で、朝6時から20分かけて自転車で通学する。母の千秋さん(53)は「それまでママチャリで通学していたが、補助金で機能性の良い自転車を購入することができた。コロナもあり、自転車通学だと感染リスクが低く、安心する」と話した。涼太さんは「自転車だと体力も付くからいい」と笑顔で語った。

 申請者は高校生や子育て世代の女性、高齢者などさまざまだ。山城課長は「今後自転車専用道路の設置など、ハード部分も早急に進めていきたい」と話した。問い合わせは企画政策課(電話)098(945)8881。 (金城実倫)

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 自転車等購入補助金

 【内容】密を避けた移動手段として自転車を推進。上限1万5千円で自転車購入費の半分を補助。上限3千円で、自転車用ヘルメットの購入費の半分を補助
 【期間】2021年2月26日まで
 【対象】16歳以上(2021年4月1日時点で満16歳)の町民
 【事業費】590万円