臍帯血きょうだい投与承認 「画期的な一歩だ」 患者家族、研究に期待


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 厚生労働省の再生医療等評価部会は24日、小児脳性まひなど脳障害の症状改善のため、きょうだいの臍帯血(さいたいけつ)を投与する高知大の臨床研究計画を承認した。

 きょうだい間の臍帯血(さいたいけつ)投与の臨床研究が認められたことを受け、患者家族らでつくる「さい帯血による再生医療推進全国ネット」代表の後藤道雄さん(69)=北中城村=は「画期的な一歩だ。患者や家族に希望が芽生えた」と喜んだ。

 後藤さんの次男万然さん(9)は、生後6カ月の時に高熱を出し、脳性まひとなった。後藤さんは2018年8月に沖縄で任意団体を設立し、きょうだい間での臍帯血投与を求めて署名活動を開始した。同じ悩みを抱える県内外の患者や家族たちとつながり、19年に全国組織に移行した。

 昨年7月には厚生労働省を訪ね、きょうだい間での臍帯血投与の実現を求める要望書を提出した。これまでに集まった署名は1万7735筆になった。

 万然さんは年齢制限により、今回の研究からは外れた。それでも後藤さんは「研究が進めば、万然も治療を受けられるようになるかもしれない。国は再生医療を率先して進めてほしい」と期待を寄せた。