宮古島のドイツ村、売却を検討 今後の維持管理費が市財政に負担と予想


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「鯉のぼりフェスト」を開催しているうえのドイツ文化村=2011年、宮古島市

 【宮古島】沖縄県宮古島市が市上野宮国のうえのドイツ文化村の売却を検討していることが23日、分かった。施設の老朽化と維持管理費の負担が要因。市議会9月定例会本会議で我如古三雄市議の質問に市観光商工部の楚南幸哉部長が答えた。

 うえのドイツ文化村は、1873年に上野宮国沖で座礁したドイツの商船R・J・ロベルトソン号の乗組員らを住民が救助した歴史を背景に建設された。住民の「博愛の心」を後世に伝えるとともに、国際交流を推進する地域活性化の拠点として旧上野村(現・宮古島市)が1996年にオープンし、市の観光産業を支えてきた。ドイツの古城マルクスブルグ城を再現した記念館やグリム童話に関する資料などを展示するキンダーハウスなどがある。

 楚南部長は議会で「開業から約25年がたち、老朽化が進んでいる。今後の維持管理に多額の費用がかかり、市財政に大きな負担となることが予想されるため売却を視野に検討している」などと答弁した。