山本章子氏「日米地位協定」に石橋湛山賞 沖縄の基地問題の根源に切り込む


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
山本章子准教授

 石橋湛山記念財団は25日、第41回石橋湛山賞(同財団主催)を、琉球大学の山本章子准教授の著書「日米地位協定―在日米軍と『同盟』の70年」に決定したと発表した。

 著書では在日米軍の駐留に視点を置き、戦後の日米関係史を概説した。日米行政協定の内容を継承するために取り交わされた、地位協定の「合意議事録」を問題視した。

 山本准教授は「基地が集中する沖縄で、日米地位協定の問題も圧倒的に多く起こる。沖縄で日々肌身に感じて地位協定の問題を見聞きしていることが説得力につながった。沖縄の問題が全国に伝わったと受け止めている」と語った。

 選考委員は「日米同盟を重視しつつ、米国に対しても、非は非と主張し続けた石橋湛山の名を冠する本賞にふさわしいものだ」と評価した。授賞式は10月23日に東京の東洋経済ビルで開かれる。

 石橋湛山賞は1980年に創設。政治経済や国際関係などの領域で、その年度に発表された論文・著書の中から、石橋湛山の自由主義や民主主義などの思想継承に最も貢献したとされる著作に贈られる。財団理事や評議員による選考委員会を経て、今月11日に開催された最終選考委員会で決定した。